中学1年生のAくん。
定期テストの成績表はまだだが、
答案は全部返ってきたとのこと。
結果(点数)を聞いてみた。
「答案は返ってきてるでしょ?」
「はい、返ってきています」
「結果は?」
「点数ですか??」
「まだ成績表は出ていないでしょ?」
「はい」
「だから番数ではなくて点数」
「合計点数ですか?」
「まあ、とりあえず」
「6教科で〇〇点です」
「ん、保体が入っているんだっけ?」
「はい」
「じゃあ5教科(国社数理英)で」
「わかりました」
その後、私は他の生徒の対応。
数分後にAくんがやってきて、
私に「メモ書き」を渡した。
私が別の生徒指導をしていたので、
口頭で言うことはせずに、
極秘でといった感じで。
ちらりとそれを見てみると、
合計点数ではなくて、
各教科の内訳が書かれていた。
保健体育の点数は置いといて、
5教科の合計点数は、
「448点(500点満点中)」
だった。
「(やるな…)」
と私は内心思ったが、
「わかった」
とだけAくんに答えた。
「(次の段階に行ってもいいな…)」
私は思った。
今回の彼のテーマは「自立学習」。
前回の中間テストでは、
Aくんの5教科の合計点数は、
「450点」。
お父さんが彼に言ったセリフは、
「やるじゃん!(笑)」
実は前回は学習の仕方を、
彼には入念に教え込んだ。
中学生になって初めてのテスト。
一応、前もってお父さんに、
「10番以内からスタートさせて…」
「はい」
「そのうち、学年トップを取らせます」
「そうですか(ニッコリ)」
「ただし…」
「はい(何でしょう?)」
「あくまでも『自立型』で」
「わかりました」
「そうでないと高校生になってから…」
「はい」
「真の学力向上は望めませんからね」
「塾長の方針でお願いします」
「任せておいてください」
「よろしくお願いします」
こういった会話を、
Aくんが小6のときにしておいた。
そして1回目の中間テスト。
「450点で学年5位」
だった。
(お父さんが)
息子を迎えに塾に来たときに、
「5番スタートでしたね」
「塾長の言った通りでしたね」
「…まあ、そうですね」
「これからもよろしくお願いします」
「大丈夫です」
そして今回のテーマは、
私が入念に指示をしなくても、
「自立」して学習できるか否か。
「手取り足取り教えたい!」
その欲求を抑えて、
「自立型個別学習」を決行。
どこの塾でもやっていないし、
できない「方法」だ。
Aくんの真価が問われた。
そして取ってきた点数が、
「448点」
だったのだ。
(続く)