4月7日。
北斗塾では「航空大予備校」の初日。
試験は7月20日(日)。
3ヵ月と2週間。
「あっという間に来るからね!」
「はい」
5月10日(土)。
「あっという間に1ヵ月過ぎたよね?」
「はい…」
「こうやって時間はどんどん過ぎるぞ!」
「(全員)はいっ!」
6月14日(土)。
「もうあと1ヵ月と1週間だよ」
「はい…」
「どう?」
「…時間がたつのが早いです」
「そうだろ」
「焦ります」
「それを日々の集中力に変えるんだよ」
「(全員)はい!」
7月12日(土)。
「(入試まで)あと1週間だよ」
「…(声にならない息の音だけ)」
「こうやって人生もまた過ぎていくんだよ」
「…(声にならない息の音だけ)」
「今回の受験だけでも学べたよね、それが」
「…(各自かみしめたような表情)」
「ただし、勝ってほしい」
「…(全員こちらを見つめる)」
「誰も落ちてほしくはないから」
「…(全員こちらを見つめたまま)」
「じゃあ、勉強を開始しよう!」
「(全員)はいっ!」
ほぼ全員が中学生の数学と英語からやり直した。
国語もだ。
なぜか?
できないからだ。
高校入試程度の問題で50~60点くらい。
これでは話にならない。
相手は「航空大学校の入試問題」である。
まともには絶対に解けない。
航空大の受験資格は、大学2年生以上であること。
(大卒でもOK。ただし年齢制限がある)
私の目の前の生徒が全員、
大学生か大学卒業直後。
1~2人を除いて皆が、
「中学レベルがあやしい」。
中学時代にどこかの学習塾通い続け、
高校受験に合格して、
大学にも合格しているけれど、
「中学レベル」で苦戦する。
今現在通っている大学、
卒業した大学のレベルによるが、
そのまま社会人になろうとしていた。
「学力」とは社会で発揮する「能力」の土台。
これでは(高いレベルでは)活躍できない。
さて、
そんな感じでスタートした彼らも、
土曜日、日曜日、そして今日(月曜日)と、
私の目の前で過去問を解きながら、
現在の自分の実力をチェックしている。
「高校の時からここの塾に来ていれば…」
「(いや、君の地元は宮崎ではないから…)」
「こんなに勉強したのは人生初です」
「(そうなのか…)」
「見てください、指にマメができたんですよ」
「(マメ? そんなに鉛筆と縁がなかったのか)」
「今ならここの予備校生の気持ちがよくわかります!」
「(いや、きみもここの「航空大予備校生」なんだけど)」
鬼気迫る様子で今日も私の目の前で問題を解いている。