見た目が立派で中身をともなわない。
これが私は個人的に大嫌いだ。
だまされた気がするからだ。
まあ実際のところ、
何をもってして、
「中身をともなっていないか」は、
要するに「基準」に達しているか、
達していないのか。
そういう判断になるわけで、
客観的な場合と主観的な場合がある。
そのために、
人によって解釈が異なるのが普通。
それでも、
私がこの仕事をしていて、
気をつけているのが英検のテスト。
「英検3級もっています」
「英検準2級もっています」
「英検2級もっています」
こういって入塾してくる生徒は、
今までにたくさんいたが、
実力はほぼともなっていない。
英検2級とは本来、
●高校卒業程度のレベル
●大学入試レベル
と説明されている。(これが基準!)
当然ながら、
ほとんどの親御さん(生徒も)が、
「うちの子は英検は一応2級をもっています」
と言うときにはいつも、
私は英検の「基準」とやらに、
疑いの念をもたざるを得ない。
入塾時に英検2級の資格を持っている生徒で、
大学入試共通テストの模試をさせてみると、
5~6割しかとれない生徒がたくさんいるからだ。
これのどこが「英検2級合格」なの?
そう思うことがあまりにも多すぎて、
辟易(へきえき)している。
実は英検の試験を突破するには、
コツがあって、
1.(その級の)英単語の丸暗記に努めること
2.過去問をすることでパターンを知ること
3.口頭試験のときは「熱心さ」を見せること
この3つである。
よって、
1~2週間の対策で合格する生徒も、
ちらほら出てくるが、
だいたい決まってその生徒たちは、
英検が終わったらその問題を見直すことは、
ほぼしない。
理由は簡単。
「試験が終わったから」だ。
英検の合格がまるで実力を保証している、
そのような錯覚をついついしてしまうが、
実際生徒の学力は、
大学受験レベルで言えば、
大した実力はついていない。
もちろん、
「共通テストで5~6割でしょ!」
という「基準」に価値があるのならば、
それでもいい。
しかし、
大学入試もいろんなレベルがあり、
全国的に国公立大学の中堅クラスには、
英検2級程度ではほぼ通用しない。
ようやく「おっ!(通用する)」、
と思うレベルは、
英検準1級だけである。
これはあくまでも私の主観ということで、
読み流してもらっても別にいい。
だが、
「英検2級資格者」という見た目で、
大学入試にも通用するはずだと思うのは、
いささか思慮が浅いと言わざるを得ない。
現実はまるで違うからだ。


