また来客。
今度は長崎大学に進学したNくんと、
立命館大学アジアに進学したTくん。
2人とも元塾生であり、
同じ高校出身である。
仲もいいのだが、
Nくんは北斗塾予備校で2年間、
Tくんは東京のみすず学苑で2年間、
大変な思いをしながら受験勉強をした。
結果、今の彼らがある。
それぞれの「山の頂上」に登ったのだ。
そのやり切った経験こそが尊い。
やりぬいて結果を勝ち取った経験が、
彼らの今後の人生で必ず心の支えになる。
それこそが大学受験で得られる、
もう1つの成果である。
そういった経験は、
中学受験や高校受験ではなかなか得られない。
一時的には「合格!」という結果に、
どの生徒も酔いしれるし、
親御さんもハッピーな気分になれて、
子育て人生のハイライトの1つではある。
だが、
高校3年間を経て、
大学受験をして不合格になる。
こういう経験をすると、
そのときの感動体験は…散る。
「高校受験での合格は大したことなかった」
という考えに至る生徒がほとんど。
つまり、
これこそが私がかつて痛感したことであり、
今でも肝に銘じている事実なのだ。
高校受験を拡大解釈して表現する塾は、
多く存在するが、
それらのどれもが大学受験に関して、
上手くやれていないようだ。
なぜか?
指導の難易度が桁違い。
高校受験の合格と大学受験のとでは、
社会的な価値もまるで違う。
先ほど、
自塾の生徒に今回の課題テストの結果を、
聞いた。
彼(=Kくん)は中学3年生で、
某私立中学校に通っている。
中学受験するときに入塾してきて、
何とか合格した。
本当は私立中学受験であれば、
特待生になれるような点数をとって、
合格させたかったのだが、
間に合わなかったのである。
合格はしたが特待はとれなかった。
それでも、
彼のお母さんには喜んでもらえた。
「合格して良かったです!」と。
同じ時期に通っていた小学6年生の受験生は、
彼以外、全員やめた。
塾をやめた。
理由は単純。
「中学受験に合格したから」
今でもよく考えるが、
はたしてそれは「正解」なのか?
「塾に通うのが常に正解だろ!」
そんな暴論を私は持っているわけではない。
ただ、
塾の力を借りてやっと合格していった生徒たちが、
その後うまくいくのだろうか?
そう思うだけの話。
(中学3年生になった)Kくんは、
入学時の学年番数は103番。
私がそのお母さんに約束したのは、
中3時には学年20番以内にしますよ、
ということだった。
そして、
彼の今回の番数は18番だった。